
【ポイント】
〇 墓じまいとその後の対応について考える
〇 まずは墓に関わっている人たちと折り合いをつける
〇 移転先に同規模の墓を造らない
〇 遠い墓より身近な仏壇。大切なのは故人を想う気持ち
▶経緯
私には、生まれ育った神奈川県西方の実家近くに先祖の墓がありました。
50歳ころに東京に居を構えてからは、
「将来、子どもに負担がかからないよう、永代供養墓を考えたいな」
と思っていました。
また、老後を考え、生活圏全体をコンパクトな範囲に収めたいとも。
私たち夫婦と同様にそれぞれ都内に住んでいる二人の子ども。
将来、遠く離れた場所の墓を維持することで、
子どもに負担をかけたくない。自分の代で責任をもって整理
しようと思いました。
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墓じまいでのお悩みは多いようです。下記サイトの記事も併せてご覧ください。
悩ましい「墓じまい」の問題…お寺・親族とのトラブル…どうすればいいの?(みんなが選んだ終活)
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とりかかって重要だと分かったこと。それは、
墓じまいそのものよりも、“墓に関わっている人たち”とどう折り合いをつけるか
ということでした。
私は長男ですが、姉弟が3人おり、実家の墓がある墓地には、他に親戚の墓もあります。
そこで、まずは、親戚を回って提案(相談ではない!)することからはじめました。
中には、
「お墓が近くにないとあなたのお父さんやお母さんにお線香をあげられない」
「〇〇家は代々この地でお墓を継いできたんだ」
などといった苦言や反対の言葉もありました。
でも、最後の決断は自分がするしかありません。
「墓をこの先も責任を持って管理していくのは自分です。最終的な判断はこちらでさせてください。」と。
時間と労力はかかりましたが、納得をしてもらいました。
移転先の墓は、将来、子どもたちに同じような苦労はさせたくなかったので、
共同墓地(合祀墓)にしました。
永代供養で、コンパクトなお墓。
これまで年に数度しかお参りのできない遠く離れた立派なお墓でしたが、今では、
通勤や買い物の途中でも立ち寄れる墓になりました。
また、マンション用に購入した小さいインテリア風な仏壇に、
毎朝夕、美味しい炊き立てのご飯とお水を供えて、
気持ちの入ったお焼香をしているので、
両親やご先祖さまもさぞ喜んでいるのではないでしょうか。
以前より仏壇にあるお位牌を身近に大切に感じるようになりました。
▶墓じまいのスケジュール
私の場合は、実家と同じ市内にあった一般的なお墓をしまい、
都内の駅から近い鉄筋コンクリートの建物に入っている
共同墓地(合祀墓)に収めました。
共同墓地に決めたのは、せっかく元のお墓をしまって、
あらたな地に同様な墓を建てたのでは、
数百万円という出費もさることながら、
将来、私が亡くなってから妻、そして娘や息子に、
今回と同様の手間をかけさせることになる
と思ったからです。
新しい墓は、ビルの中にあり、雨風、雪、地震や津波の影響もなく安心です。
夏の暑い中、草むしりなどの手入れやお墓の掃除もなく、
会社帰りにふと立ち寄りお焼香をして帰るといったことも可能となりました。
盆暮れなど限られた時期の参拝に比べ、
「行きたいときにすぐ行ける」ということから、
きっと父や母も喜んでくれていると思います。
「老後に向け、生活圏をコンパクトにまとめていく」
という私のスタンスも叶えられて大満足です。
▶墓じまいに取り掛かる
「墓じまい」とは、墓石を撤去し、墓所を更地にしてお寺に使用権を返還することです。
お墓に納められているご遺骨を勝手に取り出して別の場所に納骨したり、
廃棄したりすることは法律で禁止されています。
お骨の移転には行政手続きが必要で、
あらかじめ新しいお骨の納骨先を確保してから移転することが必要です。
近年、地方の過疎化や少子化などの影響もあり、
継承する方がいない無縁墓も増えているとのこと。
また、
「子どもに負担をかけたくない」
「お墓が遠方にありお参りが難しい」
「夫婦それぞれの実家のお墓を守るのが大変」など、
供養に関する考え方の変化から、墓じまいを検討する方が増えているといいます。
墓じまいの手順は、概ね以下の手順になります。
勿論、同時並行的に進めていただいても結構です。
① 親族間で相談し、事前に同意を得る(これがもっとも重要!) ② 改装に必要な手続きや書類を確認する ③ 墓地管理者(現在の墓地の管理者)へ改葬の意思を伝える ④ 新しい納骨先を決める ⑤ 改葬許可証を取得する(行政手続き) ⑥ 墓石の閉眼供養(魂抜き)をし、ご遺骨を取り出す ⑦ 墓石の撤去・解体工事、使用権の返還 ⑧ ご遺骨の受け入れ先に納骨(必要に応じて法要を行う) ⑨ ご遺骨の一部を形見にする場合も |
① 親族間で相談し、事前に同意を得る
墓じまいをする際は、後にトラブルにならないよう、親族間で事前に同意を得ておきます。
私の経験からも、これが最も重要だと思いました。
誰が費用を負担するのかや墓じまい後のお骨の供養方法などについて、
事前の相談が足りないとトラブルになることが多いようです。
また、先祖代々の墓の場合には、事前に親戚等にも一言伝えることが大事だと思います。
実際、私の家の墓は、地元の親戚の墓などと同じ墓地にあり、後々トラブルにならないよう、今回の墓じまいにあたっては丁寧な説明に心掛けました。
②以下の項目が事務的・金銭的なものに対して、
親族等との事前調整には大きな労力(特に気遣い)がかかり、エネルギーが必要となる
ということを心得ておいてください。
事前に色々なことを調べておいて、ぜひ、”相談”ではなく”提案”という姿勢で臨みたいところです。
なぜなら、集まってから「どうしようか」と切り出すと、みんながみんな自分の意見(思い)を言い出して、一向に収束しないからです。
私には姉妹が3人おり、移転先のお墓はできる限り交通の至便なところを選ぶということで理解を取り付けました。
若干異論もありましたが、私が長男ということもあり、実質的には将来にわたり私の責任や負担が最も重いことを理由に納得してもらいました。
② 改葬に必要な手続きや書類を確認する
自治体によって改葬の手続きが異なるため、現在の墓地所在地の役所で改葬に必要な手続きや書類を確認します。
一度、事前にお墓のある自治体とお墓を新たに移す場所の自治体のホームページを確認することをお勧めします。
補助金制度を整備している自治体もあるようです。各区市区町村の窓口に事前に問い合わせをしておくことをお勧めします。
③ 墓地管理者へ改葬の意志を伝える
ご住職に墓じまい(改葬)の意志を伝え、「埋蔵証明書(埋葬証明書)」の発行を依頼します。
※ 埋蔵証明書(埋葬証明書)…現在の墓地にご遺骨が納骨されていることを証明する書類。墓地所在の区市町村から「改葬許可証」を取得する為に必要です。
なお、公営・民間霊園の場合は霊園管理事務所、共同墓地の場合は墓所の管理組合が設置されている場合もあります。
お布施、離檀料について
お布施は、基本的には普段の法要の際と同程度で問題ないようです。
離檀料は法律で決まりはなく、支払いの義務はありませんが、これまでお世話になったお礼の気持ちも含めお渡しするのがよいかと思います。
私は、お布施として普段の法要の際と同じ額をお渡ししましたが、
離壇料は特に催促がなかったため払いませんでした。
なお、お墓の使用権を返還しても、以前支払った永代供養料等は返還されません。
④ 新しい納骨先を決める
墓じまい後のご遺骨の新しい納骨先について検討します。
ご遺骨は勝手に廃棄したり、散骨したりすることは法律で禁じられています。
近年では、永代供養を謳っている墓地が増えました。
永代供養とは、供養料を事前に一度支払えば、寺院などでご遺骨を預かり、文字通り「永代にわたって」供養してもらえることをいいます。
宗旨・宗派に関係なく申込みが可能であることも多く、そのようなところは、身内や後継ぎのいない方でも申込み可能であるようです。
娘や息子の存在、また、将来の転居や経済的な面も考慮し、永代供養料を支払い、気持ちを楽にしました。
⑤ 改葬許可証を取得する(行政手続き)
自治体(市区町村)から改葬許可証を発行してもらうため、
新たな納骨先の寺院から、受入証明書を発行してもらいます。
現在の墓地所在地の自治体(市区町村)から「改葬許可申請書」をもらい、必要事項を記入します。
改葬許可申請書は自治体のホームページから入手することが可能な場合もあります。
※改葬許可申請書:改装許可証発行のために、改葬申請者や埋葬者等の情報を記載する書類
※改葬許可証:ご遺骨を現在埋葬・収蔵している墓地から他の墓地へ移す際、必要となる書類。
現在の墓地所在地の自治体(市区町村)から発行してもらいます。
改葬許可申請書に、埋蔵証明書(埋葬証明書)と受入証明書を添えて、墓地所在地の役所へ提出すると「改葬許可証」が発行されます。
「埋蔵証明書(埋葬証明書)」「受入証明書」「改葬許可証」の発行には数百円~1,500円程度必要です。
⑥ 墓石の閉眼供養(魂抜き)、ご遺骨の取り出し
墓石を解体し、撤去する前に、お墓の魂抜きである閉眼供養(へいがんくよう)を行ってもらいます。
事前にご住職にお墓の閉眼供養を依頼する必要があります。
実際に「魂抜き」に立ち会いましたが、不思議な儀式のようで、
もちろん、魂の移動の実感はありません。
ただひたすら手を合わせながら、亡き人のことを思い浮かべていました。
⑦ 墓石の撤去・解体工事、使用権の返還
墓石の撤去・解体工事は石材店に依頼します。
石材店に心当たりがない場合には、ご住職に相談するとよいでしょう。
石材店が決まったら、墓石の撤去・解体工事の見積もりを依頼します。
基本的には、墓石の撤去だけではなく、お墓の基礎(土台)も解体し、区画を更地に戻してから墓地管理者に返還するので、結構な手間と費用がかかります。
さらに墓地に至る通路の幅が狭い場合や、傾斜地にある等の場合には、相当な人件費もかかることを承知しておく必要があります。
私の場合は、平場の墓地で一般的な大きさのお墓であったため、トータルで40万円ほどでした。
⑧ ご遺骨の受け入れ先に納骨(必要に応じて法要 魂入れ)
事前に、ご遺骨の受け入れ先(新しい納骨先の住職)に、納骨日程について相談しておき、必要に応じて、住職に法要を依頼しておきます。
私の場合は、自宅に置いておくお位牌に魂入れをしてもらいました。
法要に要した費用は10万円くらい。寺院によって異なります。
納骨時に、あたらしい墓地管理者(住職)に「改葬許可証」を提出します。
⑨ ご遺骨の一部を形見にする場合も
私の場合、最愛の母が長く闘病生活を送ったことから、姉妹から、何か残るものがほしいとの相談を受け、お骨の一部を取り分け、専用のお洒落な陶磁器の容器に入れ配ることも検討しました。
最終的には断念しましたが、お骨の一部を装飾品等に加工して身近においておくといった選択肢もあるようです。
以下、納骨等の形態とそれぞれのメリット、デメリットをまとめました。
▶納骨等の形態とメリット・デメリット
「墓じまいして移転したい」という私の場合に照らし合わせて、納骨等の形態及び特徴についてまとめてみました。
1.一般墓所
・新たな場所にお墓を建てて再度納骨
・パーソナルなスペースが確保できる
・費用がかかり、将来、子どもが自分と同じ立場になった際に、同様の問題が生じる
2. 納骨堂(屋内墓所)
・骨壺やご遺骨を決められた専用のスペース内に収める施設。ロッカー式や自動搬送式など様々な形態あり
・年間管理料が一般的に割高
・天候に左右されず参拝が可能で、清掃や草むしりなど一般墓所に比べ手間がかからない
3.合祀墓(共同墓地)
・複数のご遺骨を同一の場所に埋葬
・他と比べ費用が低く、管理に手間もかからない
・他のご遺骨と一緒(合祀)となることが多く、納骨を後に取り出すことは困難
4.樹木葬
・骨壺やご遺骨を樹木周辺の土の中に埋葬
・一般的に費用は割安
・亡くなった後、自然の中に戻りたいという気持ちが叶えられる
・納骨後にご遺骨を取り出すことは困難
5.散骨
・粉状に加工したご遺骨を海や山などに撒く(6.のようにご遺骨の一部を手元に保管するという方法も)
・初期費用はかかるが、維持の手間や費用がなく、参拝も不要
・亡くなった後、自然の中に戻りたいという気持ちが叶えられる
6.手元供養
・小型の骨壺やアクセサリーなどの中に遺骨を納め、仏壇など手元に保管
・故人をいつも身近に感じることができる
このほか、形態ではありませんが、事前に一定の供養料を支払うことにより、永代にわたり供養してもらう(永代供養)ことが可能な場合もあります。管理費等が不要となり、子どもたちの負担も抑えられます。
私は、
・費用(イニシャルコスト、ランニングコストとも)
・手入れや参拝のしやすさ
・将来の安心感(子どもに負担をかけたくない)
という点から、建物の中にある「合祀墓(共同墓地)」を選び、永代供養料を支払うこととしました。
親類からは「やや合理的過ぎないか」と言われたこともありました。
しかし、自宅の仏壇にあるお位牌に毎朝夕、焼香するたびに感謝を伝えることで、
以前なんとなく感じた、
「墓が遠くてなかなか参拝できない」という何か負い目みたいなもの
がなくなり、今では大変満足しています。
以上です。墓じまいを考えていらっしゃる方の参考となれば幸いです。
これからも、時代のニーズによって、様々な形態が生まれてくるものと思います。サービスや費用等も実に様々ですので、ぜひ、SNSやパンフレットを複数比較して、自分やご家族の思いに合ったものを見つけてみてください。
また、自分の老後のことが気になったら、
エンディングノートの作成
についても、ぜひご覧になってください。
#墓じまい
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