「荏原 畠山美術館」と「ねむの木の庭」めぐり


週末、港区白金台にある「荏原 畠山美術館」へ。

先日、NHKの「日曜美術館」で紹介され、興味を持ちました。

まだこの美術館は開館間もないとのこと。
といっても、全く新しく建てられたのではありません。

本美術館の前身は、㈱荏原製作所の創業者・即翁こと
畠山一清(1881~1964年)のコレクションを公開するために、
1964年に開館した畠山記念館。

この度、新館を増築、本館は和の趣向を残して改修し、
「荏原 畠山美術館」として生まれ変わったのです。

即翁は荏原製作所社長の創業者。
なるほど、「荏原 畠山美術館」…

最初にこの名前を知ったとき、
「あれ、荏原は品川区ではなかったの?」と思いましたが、
「荏原」は地名ではなく、
あのポンプで有名な荏原製作所から来ているのですね。
納得!

即翁は、能登国主畠山氏の後裔として加賀金沢市に生まれ、
苦学の末、東京帝国大学工学部を卒業し、
技術者としてポンプの開発に取り組み、
後に荏原製作所を興したそうです。

畠山一清氏は、実業家でありながら、
「即翁」(そくおう)と号して、
能楽や茶の湯を嗜む「数寄者」(すきもの)でもあり、
茶道具を中心に、50年をかけて、
美術品の蒐集(しゅうしゅう)に励みました。

即翁の愛藏印に刻まれている「與衆愛玩」
(よしゅうあいがん)には、
「自らのコレクションを独占するのではなく、
多くの人とともに楽しもう」
という想いが
込められているのだそうです。

ちなみに、「数寄者」とは、風流を好む人という意味。

思い出した思い出した。
以前、マンションを購入する際に、
インテリアの知識がほしいと思い勉強・
受験したインテリアコーディネーター
資格試験の勉強で出てきた!

そのとき学んだハンドブックを紐解くと…

「数寄」は「好き」の当て字で、風雅の道のことをいい、
茶の湯などを好むことを指した。

さらに数寄屋というと、茶室や草庵風茶室の建物のことで、
そこから茶室建築の手法を取り入れた住宅などの建築様式を、
数寄屋造と呼ぶようになった。
とありました。

数寄屋造の代表格は、京都の桂離宮。ふんふん。

あ、だいぶ脱線してしまいました。

さて、都営浅草線の高輪台駅から北西へ歩くこと5分。

途中、「港区白金台」という土地柄もあってか、
大きな門構えの瀟洒な邸宅と、
多分、低層住居専用地域なのでしょう
3~4階建くらいの
落ち着きと風格を備えた低層マンションが。

まもなく、美術館の門が見えました。
まわりの景観と見事なほどにマッチした門構え。

門横の石には「今日是好日」と刻まれていました。

門の中に進むと、広くはありませんが、
土地の高低差をうまく利用した瀟洒な庭が広がっています。

「明治天皇行幸所寺島邸」と刻まれた石碑。
その横には創業者の銅像。

美術館の入口には、現在開催中の
開館記念展Ⅱ「琳派から近代洋画へ 
数寄者と芸術パトロン 即翁、酒井億尋」
とあります。

ちなみに、酒井億尋は、即翁の甥で、
荏原製作所社長を継いだ人物で、
やはり数多くの美術品を蒐集した人物です。

畠山即翁が築いた一大コレクションの中でも
見逃せないのが琳派の作品…

本阿弥光悦、俵屋宗達尾形光琳
その弟の尾形乾山など、琳派を代表する名人たちの、
絵画や書画、茶碗の焼物など、重要文化財が
これでもかこれでもかと登場し、
まさに訪れる者みなを愉しませる「與衆愛玩

残念ながら、撮影禁止でしたので写真は載せられませんが、
本阿弥光悦書、俵屋宗達下絵の
「金銀泥四季草花下絵古今集和歌巻」
(重要文化財)
や、
尾形光琳の「躑躅図」(重要文化財)など
琳派を代表する作家の優れた作品が多数展示されていました。

私はこれらの中でも、
リーフレットに掲載されている
本阿弥光悦作 重要文化財の「赤楽茶碗」に注目。

その重厚感を感じる質感と色合い、
割れた茶碗を金継ぎしたかのような風合いに
とても惹きつけられました。

美術館の入口を入ったところに、
即翁の重厚感ある木像…楠木の一本彫り。

今回の開館を記念して、
荏原製作所の社員一同から寄贈されたとのこと。
素敵ですね。

美術館を出て、敷地の一角には侘び寂び(わびさび)
を体現したような茶室。
数寄者 畠山即翁の茶室「浄楽亭」

通常、内部は非公開だそうです。

壁面には躙り口(にじりぐち)
茶室の客用の小さな出入り口で、
にじるようにして入ります。

以前、ほかの場所で二度ほど茶会に招かれ、
躙り口を出入りしたことがあるのですが、
慣れないためか、一苦労^_^”。

ああ、普段体験することのない、
和の雅な世界に浸ることができました。

開館記念展Ⅰ(前期)は1月18日~2月16日、
Ⅱ(後期)は2月19日~3月16日。

次回の記念展Ⅲは、4月12日から6月15日の予定

さて、今日は十分、雅な世界を味わいましたが、
もう少し欲張って、
「荏原 畠山美術館」からさらに歩くこと5分。

次に訪れたのは、「ねむの木の庭」です。

現在は公園になっていますが、
この地は、上皇后 美智子様のご実家・正田邸の跡地

門のところにあった解説には、
「昭和9年10月20日、正田家の長女としてお生まれになった
上皇后様は、昭和34年4月10日、民間初の皇太子妃として、
皇太子殿下(現 上皇様)のもとへ、この地より嫁がれました。

品川区は、平成15年にこの土地を譲り受け、公園として整備。
ご成婚当時の門を再現しているほか、上皇后様ゆかりの樹木や
お歌の中で詠まれた樹木・草花を多数植えています。

この公園の名前は、上皇后様が高校生時代にお作りになった詩
「ねむの木の子守歌」や、皇室に入られた後にお詠みになった
お歌の中でも使われたゆかりの樹木「ねむの木」に
ちなんで命名された」
と記されていました。

綺麗に手を入れられている可愛らしい草花の数々。

数輪残っていた美しい梅の花

もう出番を待っているかのように青く艶々としたアジサイの新葉

ああ、幸せのひととき

#畠山美術館#にじり口#躙り口#酒井億尋#本阿弥光悦

#ねむの木の庭

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