
浅草寺の境内
まだ日差しが柔らかく
少し湿った空気の中に
蝉の声が混じります
浅草雷門をくぐり
静かな仲見世通りを進むと
すでに、本堂の前には
開門を待つ大勢の参拝者




午前6時きっかりに
「ゴーン…」と深く響く音
これは浅草寺の「朝の鐘突き」

本堂近くの鐘楼では
毎朝、僧侶が鐘を打ち
その音は隅田川の方へも届くほど
その鐘の音とともに扉が開き
一斉に参拝者がお堂の中へ
澄み渡った鐘の響きは
忙しい日常から切り離されたような
清らかで厳かな時間を感じさせます
まさに浅草の朝の始まり
お気に入りの情景です
お盆の本堂
――香の煙と祈りの空間
浅草寺では、8月13日から16日にかけて
「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が営まれています
本堂に足を踏み入れると
蝋燭の明かりが静かに揺れ
香の煙がゆらゆらと
天井へ昇っていきます






僧侶の読経が響く中
参拝者は線香を手向け
ご先祖や故人への感謝の気持ちを
静かに捧げます
昼間は観光客で賑わう境内も
この時ばかりは厳かな空気に包まれ
まるで時がゆっくりと
流れているかのよう
読経を聞きながら
静かに手を合わせます
終戦の日
今日一日が
安寧な時を刻みますように
