
職場の近くで、以前から気になっていた「切腹最中」の看板。
港区新橋の和菓子屋「御菓子司 新正堂」。今回、ようやくお店の中に。

このお店、とことん「忠臣蔵」にこだわっているようです。
というのも、当店は、「忠臣蔵」で有名な田村右京太夫屋敷跡にあり、
浅野内匠頭が元禄14年3月14日にお預け即日切腹を余儀なくされた
その場所に建てられた和菓子店だからだそう。
お菓子の包みには、以下のようなことが書かれています。
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元禄十四年三月十四日、殿中「松の廊下」で後の「忠臣蔵」へと
発展する刃傷(にんじょう)事件は起こりました。
巳の上刻(午前十時)から六つ刻(午後六時)過ぎにかけて、
刃傷…田村邸お預け…評定…切腹…と、
その日のうちに矢継ぎ早に執り行われたと言います。
「切腹」…殿中での刃傷とあればやむを得ぬお裁きとはいえ、
ここで問題なのは、浅野内匠頭がいかに青年の激情家であったにしろ、
多くの家臣、家族を抱える大名であったのだから、
今少し慎重な調査がなされてもよかったのではなかろうか。
喧嘩両成敗の原則をも踏みにじった、公平を欠く短絡的なお裁きが、
後の義挙仇討ち「忠臣蔵」へと発展したことは否めません。
「風さそふ 花よりもなほ我はまた 春の名残をいかにとやせん
・・・の辞世の句とともに、本品が話の花を咲かせるよすがともなればと、
心を込めてお作りしております。
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ところで、特に「切腹最中」は、様々な賞に輝いています。
・メトロガイド100号記念読者投票「東京うまいもの大賞」において第1位
・R25お詫びの品第一位
・全国ANA空スウィーツ第一位
面白い!
でも、R25お詫びの品…これは、まだ職場で信用を得ていない若い社員が、
もしも、失敗をしでかした際のお詫びの品として選んだとしたら、
「おまえ、なめてんのか!」と、多分、大変なことになるでしょうね。(笑)
まずは、上司や同僚にある程度の信頼を得てからの
「洒落の一品」とはなるかなと思います。
切腹最中のほかにも、以下のように様々な商品があります。
① 忠臣蔵陣太鼓どらやき
吉良邸の討ち入りの際に使われた山鹿流陣太鼓を模したどら焼
② 義士ようかん
歌川国芳の武者絵で今蘇る四十七士。
日本の誇れる「忠」と「義」の心を伝えたいという思いを込めた渾身の羊羹
③ 豆大福
豆の味付けには「赤穂の塩」を使用
④ 出世の石段
講談「寛永の三馬術」の中の一人、曲垣平九郎が名を成した
知る人ぞ知る名所「愛宕山」にちなんだ菓子。
ちなみに、愛宕山は、NHKニュースでときどき出てくる
港区愛宕山のNHK放送博物館があるところです。
これらのほか、大江戸まとい、生どら焼、
仮名手本忠臣蔵味こよみ、景気上昇最中といった具合に、
凝った名前の商品が沢山ありました。
本当にネーミングが面白い‼
このうち、今回は、「切腹最中」と「生どら焼」を購入しました。

帰宅後、早速いただきました。
切腹最中…文字どおり、腹を切られた最中の皮の間から
あふれんばかりの小豆あんこが。
二つに割って口に放り込む。
粒あんがねっとり甘く、美味!
中には柔らかいお餅も入っています。
旨い!甘さもほどよいです(なお、私は大の甘党です)。
そして、生どら焼…今回はあずきクリーム味とチーズ味の二種類。
どちらも美味しい。
次にお店に行ったときは、出世の石段を頼もうかな。
あ、もう今更出世は関係ないですね。それなら、景気上昇最中かな。
美味しかった!
<情報>
東京都港区新橋4-27-2
切腹最中1個270円、生どら焼1個330円(いずれも税抜き)