
浅草、雷門にほど近く
昨夜は友人Mさんと「神谷バー」を訪ねました



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「デンキブラン今昔(いまむかし)」より
 電気が珍しい明治の頃、目新しいものというと「電気〇〇〇」などと呼ばれ、舶来のハイカラ品と人々の関心を集めていました。そのうえ、デンキブランはたいそう強いお酒で、当時はアルコール度数45度。それが電気とイメージが重なって、この名がぴったりだったのです。
 デンキブランのブランは、カクテルベースになっているブランデーのブラン。そのほか、ジン、ワイン、キュラソー、薬草などがブレンドされています。しかしその分量だけは未だもって秘伝となっています。あたたかみのある琥珀色、ほんのりとした甘味が当時から大変な人気でした。
 大正時代は、浅草六区(ロック)で活動写真を見終わるとその興奮を胸に一杯十銭のデンキブランを一杯、二杯。それが庶民にとっては最高の楽しみでした。もちろん、現在も神谷バーは下町の社交場。仕事帰りの人々が三々五々、なかには若い女性グループも、小さなグラス片手に笑い、喋り、一日の終わりを心ゆくまで楽しんでいます。時の流れを超えた、実に和やかな光景です。
 明治・大正・昭和・平成、令和。時代は移っても人の心に生き続けるデンキブラン。デンキブランは下町の人間模様そのものです。一口、また一口とグラスを傾ける。時が逆さに動いて、見知らぬ時代の見知らぬ人に逢えそうな、そんな気がしてくるのです。
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浅草の老舗「神谷バー」…
あの伝説の「デンキブラン」が生まれた場所です

私が就職して、先輩に初めて
ここに連れてきてもらったのは
多分昭和62年(1987年)ころ。
もう40年近くも前!
店に入るとレトロな照明と木のテーブル
席に着いてさっそく注文を…
このお店、お店の人が注文を取りにきてくれるのではなく
もちろん、今風な「スマホでLINE登録して直接注文」でもなく
なんと店入口のレジで、食券を買うシステム!
逆に面白い‼ 懐かしい‼
さて、しばらくすると
注文したビールと「デンキブラン」が
運ばれてきました




そういえば、この店のすぐ前の隅田川を挟んで
アサヒビールの本社ビルがありますが
先日のサイバー攻撃はもう納まり
アサヒスーパードライも
普通に流通するようになったのでしょうか
さっそく友人と「乾杯‼」
琥珀色の液体…
デンキブランはアルコール度数30度
デンキブラン(オールド)は40度だそう
ひと口、口に含むと――
ピリリとした刺激のあとに
ふわっと広がる香草とブランデーの香り
どこか薬養酒のようでいて
不思議と懐かしい
そう、子どもの頃、同居していた
明治生まれのお祖母ちゃんに
ちょっとだけ飲ませてもらった
養命酒を想い出しました
薬草の香りが妙に懐かしい
140年以上の時を超えて
この味が今も受け継がれていることに
思わず感嘆
隣の席では、常連らしき年配の方が
ビールで割って
「デンキブラン・ハイボール」を楽しんでいます

真似して割って飲んでみると
これがまた爽やかで飲みやすい
デンキブランの奥深いコクと
ビールの軽快さがちょうどいい塩梅です
浅草の町のざわめき
老舗の空気
そして一杯のデンキブラン
「浅草の時の流れ」を味わう
そんな濃厚な経験でした
美味しかった…
酔い覚ましに…
浅草雷門をくぐり仲見世を通って浅草寺へ









小雨もなんのその
境内は、ほとんど外国の方々
おみくじ…
多分、珍しいのでしょうね
とても賑わっていました
真剣な顔で木の筒を振って
出てきた棒の番号の引き出しを開ける
大吉が出ますように
日本での旅が素晴らしい想い出と
なりますように…
あぁ美味しかった…楽しかった
<情報>
場所:東京都台東区浅草一丁目一番一号
   東京メトロ銀座線3番出口出てすぐ
支払い:現金のみ(クレジットカード、プリペイドカード等不可)
    席を決めたら、入口近くのレジで食券を買うこと
