
6月28日、妻に誘われ、映画を観てきました。
私は普段、ほとんど映画やドラマは観ません。
この映画、上映時間が3時間近くで、テーマは歌舞伎!!
眠くならないだろうか。心配…。
ところがこの映画、
とんでもなく素晴らしい作品でした。
映画「国宝」…
歌舞伎という日本の伝統芸能を題材にした人間ドラマ
8月22日、興行収入が110.1億円を突破。
「南極物語」(1983年公開、110.0億円)を上回り、
歴代邦画実写第2位になったとのこと。
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主演は吉沢亮さん。
そして、共演と言ってもよいくらいの
重要な役を演じている横浜流星さん。
流星さんは、現在、NHK大河ドラマ
「べらぼう」でも、蔦屋重三郎
として大活躍していますね。
さらに、「べらぼう」の田沼意次役で
味のある演技をしている渡辺謙さんも
すごくいい。
歌舞伎を知らない私も、
本当に愉しめました。
出演者それぞれの心の葛藤に、
うずうずしたり、共感共鳴したり。
本当に良い映画でした!
芥川賞作家・吉田修一の小説を
李相日監督が映画に仕立てた。
これら二人がタッグを組んだ作品で
「悪人」…妻夫木聡&深津絵里主演
という映画。ずいぶん前に
観た覚えがあります。
(調べたら、15年も前の作品。)
以下、ちょこっとだけ、
映画「国宝」を自分勝手に
振り返り…
任侠の一門に生まれた喜久雄(吉沢)。
十代半ばのころ、目の前で始まった
やくざの抗争で、組長の父親を
惨殺されてしまう。
喜久雄は、同じ場所にいた上方歌舞伎名門の
当主・花井半二郎(渡辺)に稀有な才能を
見出され、部屋子として引き取られる。
しかし、そこには、同じ歳の御曹司
花井の長男・俊介(横浜)がいた。
俊介…未来を約束された上方の
いわゆる大事な跡継ぎ。
二人は仲良くも、切磋琢磨をしながら
芸の道を歩んでいく。
だが、次第に、
喜久雄は二世である俊介の血筋に、
そして俊介は喜久雄の才能に…
二人は掴みどころのない
焦燥感にさいなまれる日々を送る。
特に前半で描かれるのは
日に日に増していく二人の間の心の葛藤。
そんなある日…
喜久雄の稀有な才能と将来を見抜き、
息子俊介を差し置いて、喜久雄を
歌舞伎の主役に抜擢する花井。
重大な責任を背負いながら、それに
応えようと芸の磨きに没頭する喜久雄。
父親の冷徹な判断に挫折する俊介。
二人が激しくぶつかったり、
心を寄せあったり。
これに花井半二郎が加わり、
三人の心の葛藤が丁寧に描かれていく。
親として、実子俊介に対し
非情とも思える判断を下し、
大役を喜久雄に託す半二郎。
俊介の絶望感を肌で感じながらも、
必死に半二郎の期待に応えようと
芸に没頭する喜久雄。
そんな折、半二郎が喜久雄と臨んだ
襲名の日の晴れ舞台で、
半二郎は血を吐き倒れてしまう。
慌てて半二郎を抱きかかえる喜久雄。
しかし、
半二郎が死の直前に口に出した言葉は、
なんと「しゅんぼう。しゅんぼう…」
そう、「喜久雄」ではなく、長男俊介の名。
「信頼を得ていたと思っていたのに。
やはり自分には血の繋がりがないのだ。」
と愕然とする喜久雄・吉沢の表情が
なんとも空虚で切ない。
後ろ盾を失った喜久雄が転落していく。
もう芸も生活も何もかもが
上手くいかなくなり…
建物の屋上で、泣き笑いしながら、
気が狂ったように舞う喜久雄。
このシーンには涙が出ました。
「一体、何を、この先、心のよすがに
していけばよいのだ」
このまま気が触れて死へと
向かってしまうのではないか。
屋上の手すりを飛び越えてしまうのか。
手に汗握る迫真の演技。
芸に打ち込むがために、
恋人や妻、娘など、関わる者すべてを
不幸へと巻き込んでいく。
芸に打ち込んだが故の喜久雄の
何にもすがることのできない孤独
そして美しさ。
映画の途中、吉沢亮の表情を
アップするシーンが本当に多い。
素顔、女形の化粧をした顔
化粧途中の顔
泣き笑いして化粧が崩れた顔
本当に、男の私でも惚れてしまうほど、
吉沢亮の顔は美しい。
写真は掲載できないので、
慌ててデッサンしたのですが、
吉沢亮というより、
なぜか、福くんに似たような?

下の絵は、その後修正したもの。
福くんではなくなったと思う。
じゃあ、今度は一体誰?
画力がない! 難しい‼

その後、さらに修正。少し似てきたかな。
けれどまだまだ違う。

難しい・・・似ない

難しい・・・むしろ遠ざかった…か(笑

所詮は「血筋」「世襲」が重んじられる
上方歌舞伎の非情な世界。
現実に向き合ってしまった喜久雄。
何度も打ちひしがれる喜久雄。
そんな心の内の葛藤が見事に
描き出されていました。
渡辺演じる花井半二郎。
私も、子を思う親としての心情と
重ねてしまう部分があり、
久しぶりに泣けてくる映画でした。
心が揺さぶられた…
もちろん、随所に出てくる吉沢と
横浜の歌舞伎の演技も見事の一言。
よくもまあ、あれほど忠実に
演技ができるよなぁ。
稽古に一年半もかけたとか。
分かる、ような気がする。
そう、相当な時間と情熱をかけて、
努力を積まれたのだろうなぁ。
脱帽。
「曽根崎心中」も「鷺娘」も
本当に素晴らしかった。
歌舞伎という日本の伝統芸能を
題材にした人間ドラマ「国宝」
3時間近くの長編でしたが、
全く中だるみせず、
一気に観きってしまいました。
ただただ感嘆。
本当に、観てよかった。
誘ってくれた妻に感謝。